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スチュワーデスの三重苦

スチュワーデスの三重苦


スチュワーデスが全女性の憧れの職業だったのは、何十年前のことだろう。
現在でもスッチーなる愛称(?)で、それなりの注目を浴びている職業ではあるが、実はスチュワーデスの実態は「大食い」「早食い」「がに股」であると知ったら、かなりイメージが変わってしまうかもしれない。

なぜ「大食い」になるのか、それはスチュワーデスという職業が紛れもない肉体労働だからだ。
食べないことには体力が持たないので、とにかく食べる。仲間内ではそれが普通なので、恐ろしいことに自分が「大食い」だなどということには気づかず、彼氏とのデートで人のニ倍食べて赤っ恥をかくことなど日常茶飯事だ。
私の元同僚などは、地上職に転職後も食事の量だけはスッチーの頃からの習慣が抜けず、毎日職場で2段重ねのお弁当箱を平然と平らげ、ついには「どか弁」と不名誉なあだ名をつけられてしまった。
かく言う私も友人何人かとスキー場へ行き、一日中思いっきり滑った後、空腹もあいまってガツガツと鍋料理をほおばっていたら、
「こう言う食べ方するやつとは、フランス料理には行きたくねーなー」
と同席していた幼馴染の男性から言われショックを受けたことがある。
「おごってやるって言われても、私だってあなたとは食事になんか行きたくないわ!」
と反発しながらも、乙女心がチクリと痛んだ。


「大食い」だけでなく「早食い」もまたスッチーの真実の姿だ。
国内線を乗務すると、あっちこっちを行ったり来りで、自分が今どこの上空を飛んでいるのかも分からなくなるほど忙しい。優雅に食事をするなんて夢のまた夢だ。
やっと機内サービスを終え、いざ食事をとろうとすると、突然機体が気流の悪い中を通過し始め、席に戻ってベルトを締めなくてはならなくなったり、さあ今度こそは!と思っても、間が悪くコールボタンでお客様に呼ばれてしまったり、サンドイッチをほおばった途端、飛行機が着陸のため降下を始めたり…。
5分でご飯を立ち食いなんて日常茶飯事なのである。やはり食べられるときに食べておかなければ、食いっぱぐれてしまう生活をしていると、「早食い」になるのもしょうがないと自分を慰める今日この頃だ。


最後に、なぜスッチーが「がに股」になるか?というと、常に揺れている機内でバランスを取りながら歩き回っているからである。
機内では、何の前触れもなく、突然機体が揺れることがあるから、両足を揃えてモデル歩きなんかをしていたら、ごろごろと通路を転がる羽目になる。
どんな揺れがこようとも、転倒することなく対処するには、結局下半身に重心を置き、がに股で踏ん張って歩くのが一番安全ということになる。



随分と前の話になるが、有名人と結婚した某スチュ ワーデスが、女性週刊誌に親族と の食事会のあとの姿を撮られていたが、しっかりとがに股で写っていたのを私は見逃 さなかった。彼女もきっと「大食い」「早食い」であったに違いない。

by むーち