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機内の常識、機外の非常識

機内の常識、機外の非常識


スチュワーデスとして空を飛んでいる時、機内では当然のこととして行うことも、一歩機外で考えると、とんでもないことが多々ある。

たとえば、高級シャンペンで手を洗うこと

レストランで飲むと一本数万円すると言われている「ドンペリニヨン」でも、栓を抜いたものは気が抜けるし、次のフライトまでとっておくわけにはいかず、飛行機が目的地到着前に捨てなければならない。つくづくもったいないと思いつつも、スチュワーデスが勤務中にお酒を飲むわけにもいかず、何時しかスチュワーデスの間では、ドンペリニヨンを流しに捨てながら、手を洗うことが習慣になってしまった。

ただ捨てるよりもせめて何かの役に立てようとの苦肉の策だが、ドンペリで手を洗う贅沢な人なんて聞いたことない。なんという罰当たり!お蔭さまで、私たちスチュワーデスの手は何時もツルツルですが…・。でも、ウイスキーやリキュール類は、捨てることなく次の便でも使いますからどうぞご心配なく。

また、キャビア丼が食べられるのは、飛行機のギャレイ(台所)ならでは?ファーストクラスのオードブルとしてサービスされるキャビアも、やはり蓋を開けて余ってしまったものは捨てざるをえない。しかし、こちらはアルコールではないので、ファーストクラス担当のスチュワーデスがありがたく頂きます。白いご飯に乗せて食べるキャビアは最高!キャビ ア丼なんてどこのレストランでも聞いたことがないでしょ? だってあまりにも贅沢過ぎて値段が付けられないんじゃないかな?

このように飛行機の中では、到着前に残った食べ物や飲み物を捨てなければいけないが、着陸準備でおおわらわの中、もったいないなんて言っている暇はない。家にいる時みたいに「冷蔵庫に残り物をしまって…・」なんてことは機内では不可能なのだ(そもそも冷蔵庫なんてない)。特に肉やフルーツは、植物検疫に引っかかるから持ちこみができない国も多い。

しかしこんな生活を続けている反動でか、私は飛行機を降りるとなかなか残り物が捨てられず、レストランで残した食べ物は必ず持ちかえるし、家では冷蔵庫の残り物を必ず平らげるので「冷蔵庫の掃除人」として重宝がられている。

 

by むーち