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スッチーを甘くみると、とんでもないことに <Part2>

スッチーを甘くみると、とんでもないことに
<Part2>


今回は、嘘つき旅客の話。

夏休みのホノルル線は、相変わらず家族ずれで大賑わい。
だって、子供用の食事だけで60個以上なんてざらだもの。
つまり1機に最低でも60人の子供達が乗っている事になるわけ。
本当に日本人の海外旅行スタイルも変わったものだとあらためて感心。すごいよね。


そんな機内で、大きな荷物をキャリアにつけて、乗ってきた、ちょっとビジネスマン風の男性。
まわりのリゾートしているお客様とは雰囲気が別世界。なんか殺気だっている。
(まー、仕方ないか。遊びに行く人達の中に混じって仕事をしに行く気持ちも解らないなけではない)
でも、通路に荷物を置いたまま、自分で運ぼうともしない。
(うん?これは私に預かれといいたいのかな。でもこれなら上の棚に十分入る大きさだから大丈夫。
でも彼が行ってくれないと後ろがつかえてしまうわね。アプローチするか・・・)と思い、ちょっと声をかけてみた。
「お客さま。荷物が重そうなので、一旦、この荷物をこちらにお置きになって、
お座席の方にいかれてはいかがでしょうか?多分この荷物なら上の棚に収まると思いますが・・」と言ったところ、
了解して他の荷物を持って自分の座席へ。


数分して戻ってきたので、荷物を取りにきたのかな?と思ったら突然「チェックインした女を出せ。」とすごい剣幕。
「何かございまいしたか?」と聞いたら、
「俺は、この会社の上顧客のメンバーだ!。いつ、この飛行機の機種は変わったんだ?」と変な質問。
「私が昨日、確認した時はこの機種で、それ以後の変更はございませんが・・・」(何で機種の事なんか聞くのかしら?)
「予約の時に40Cをリクエストしたのに、チェックインの時に、女が、お客様には広い座席を御用意しましたと言って、
座席を変えたんだよ。それがあんな、ギャレー (キッチン)のそばのうるさくて狭い座席かい?ふざけるんじゃない!」
と、もう、頭から湯気がでて、まるで、100度にチンチン沸騰しているヤカンのよう。
そういう文句を聞きながらも、私は、彼が首からぶら下げている携帯電話が、
ぐるっと回って肩のところにのっていて、その電話のスイッチが切れてない事が気になって仕方がなかった。


(こんな怒りが爆発している時に、携帯電話を切ってくれなんて言ったら、火に油をそそぐようなものかしら。
それに、携帯電話が肩にあるのをそのままにしているなんてわざと私の目にとまるようにしているのかも。
それにしても、今日は満席の予定なのに、そんなリクエストした座席を変えるなんて地上の人がするわけがない。
確かに、40Cはドア−のところで、前が広いから人気の席。それが24C変えるなんて、あまりにも違いすぎる。
もし、新人がやったとしても、これはおかしい?
それに機種の質問もしていたし。もしかしたら、ビジネスクラスの席と思いこんで、自分でリクエストしたのでは?
だから、さっき、なかなか自分の席に行こうとしなかたんだ。ちょっと様子をみよう。)と心の中で自問自答が始まった。


「かしこまりました。只今、すぐ調べてまいりますので少しお待ちください。」
と言って調べてもらった。地上の責任者が出てきて事情を話しているが、彼はなかなか納得しない。
どうもこの事件、ビジネスクラスの席をエコノミー使用で使うことタマにあるのですが、 どうも今日の機材がそれになっていたと彼が勝手に勘違いして、この席を自らリクエストしたのではないだろうか、
という推測がされる。


そうこうしているうちに、出発の時間は15分も過ぎ、そんな事をしていたらカーフュー
(24時間OPENでない空港では、離着陸の出来る時間が決まっていて、それを過ぎると、発着ができないこと)
に引っかかり、この飛行機は出発できなくなってしまう。そんな事になったら、大問題。
最終的にビジネスクラスは2席空席があったが、あいにくエコノミーは満席で変えようがない。
「空いているならビジネスクラスに座らせろ」とすったもんだした挙句、彼を機内で納得させる事にして、飛行機は出発。


これで、密室状態。 彼から逃げることができない。最悪!
こうなると、機内のサービスをする側は大変。ちょっとでも彼にミスをしたら大クレームにつながり兼ねない。
ただ、サービスの時の彼は、その不満を言うなどして、サービスを止めたりするなどはせず、そんなに不機嫌ではなかった。
(結構、あるんです。満席の時、人手が足りなく忙しい時に限ってクレームを言い始めて、人手不足になってしまう事が・・・)


しかし、時間が経ってホノルル到着まで、彼の怒りのテンションは高まったままだった。
これだけごねれば、唯一空席のビジネスクラスに座らせてくれると思ったらしいが、
もしそうだとすれば、地上の人がそのようにケアーをしたはず。
結局、会社の方に今回の出来事は伝え、 後日、結果をお客様に報告するという事で最後まで、オリジナル24Cの席のまま、ホノルルに到着した。


ホノルル到着後、地上の人に事のあらましを説明したら、なんと常習犯。
彼は旅行代理店の社員で、帰りのホノルルからの便でも、同日の全便に予約を入れているとの事。
そして何時も座席でトラブルを起している人らしい。
(だから、コンフィギュレーション(機内の座席の配列)の事なども知っていたのか。)
それに、今回は彼が使ったチケットはマイレージで貯めた、タダ券。
(これで、ビジネスクラスに座ろうなんでちょっと虫がよすぎませんか?)
今回の一件で彼の名前は要注意人物として逆に、我社のブラックリストに載る事になってしまった。


私達スッチーは、理屈にあった事に対しては精神誠意対応しますが、狂言のような事はいくら私達でも許しません。
今や、情報時代。あまり理にあわない事とすると、いつか搭乗拒否をされてしまう事も・・・・・
それにしても、8時間、テンションの高さを維持できた彼のパワーと演技力には脱帽!
ただ、肩のところにのせていた携帯電話のスイッチONはワザトだったのか、今でも解明したいボスでした。


by怪獣ボスデスモン