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最近笑ってしまった話 Part1

最近笑ってしまった話

最近は国内線に乗ることが多く、結構日本人というものをじっくり観察することが多いこの頃です。
さて今回はちょっと笑ってしまったお話をしましょう。

<その1>
ある地方からの東京行きの便で、初老の団体さんが乗ってきた。案の定、席が分からない様子なのでご案内すると、一人のおじさんがずっと足元を見て探し物をしている。そこですかさず私は「何か落とされましたか?」とたずねると、「いやーこの座席がくるっと回るペダルはどこかねえ?」
あははー私は笑いをこらえながら、「あの新幹線みたいな座席のペダルですよね。あいにく飛行機には付いていないんですよ。」と答えると、そのおじさんはとても残念そうに、「そうですか、対面シートはないんですかあ。酒とつまみ用意してきたんだけど。」確かにそんな座席があっても楽しいだろうなあ、と思いながらも微笑ましい人たちだった。


<その2>
やはり地方の便のこと。中年のご夫婦がいち早く搭乗してきた。とても焦っている様子だった。でも一度座ってそれから又立ち上がって後方にやってきた。座席がわからないのかなと思って声を掛けてみると、そのおばさんは「早く来たからたくさんいい席があって良かったわあ。自由席だよねえ。」と一言。私は一瞬固まリ次に吹き出しそうになりながらも、優しくその人たちの座席案内をしたのであった。うーん可愛い人たちだ。


<その3>
飲み物をサービスしていた時のこと。乗りなれていないと何があるかわからないはず。だからそれとなく手元にあるものをご案内しながらサービスしているんだけど、あるカップルの所に来た。彼らは乗ってくると周りのこともまったく気にせずとにかく呆れるくらいにベタベタしていた。まあそれはいいんだけど、その彼女に飲み物を聞いて見ると、やはり「何があるのお?」と聞いてきた。ちょっと私もあきれていたからさりげなく「コーヒー、ジュース、スープなどがございますが。」と答えると、彼女は彼に甘えながら「えーどうしよう、何にしよう。えーとえーと、えーーー。」私はそんなたいそうなことを聞いてしまったのだろうか?参ったなあと思いながら再度「いかがいたしましょうか?」と問いかけた。彼女の答えは、「じゃあねークリームコーンスープとぉ、野菜ジュースにして。」だって。負けた。そんなものはないのである。全くどこのレストランだと思ってるんだぁ、とぶつぶつ思いながら、顔はしっかり笑顔で、「申し訳ございません、あいにくそれらは搭載されておりません。」そして振り出しに戻って、始めから事細かく搭載されている飲み物を丁寧に説明する羽目になってしまった。カップルの隣に座っていたビジネスマンのおじさんが、その彼女を呆れ顔で見ていてのは言うまでもない。とんでもなく時間がかるカップルであった。


<その4>
人間思い込みというものがある。どうしてそう思ったのかは分からないのだけど、今でも思い出すと赤面してしまう事件のこと。やはり飲み物サービスをしていた。初老のおば様に飲み物を伺うと、「りんごちゃん」と答えた。ずいぶん可愛い人だなあ、りんごジュースをりんごちゃんって呼ぶなんて、と思いながら、「りんごジュースでございますね」と念を押してみたら、
やはりそのおば様は うなずきながら「りんごちゃん」と言っている。でもちょっと表情に迷いが見えたので、再度「りんごジュースでございますね」と聞いたらまたその人はうなずきながら、「りんごちゃん」と言っている。その様子を見ていて、カートの反対側でサービスしていた先輩が、大笑いしながらこう言った。「日本茶ですよ。」しまった。やってしまった。自分でもおかしくて笑いをこらえきれずにそのおば様に謝りながら、「りんごちゃんってどうしても聞こえてしまって・・・」と白状したら周りの人も聞いていて大笑いになってしまった。うーん思い込みって怖いなあ。それにしても間違っているときは、うなづかないでね。


byお月見雪うさぎ