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怪しいバンコクの夜
皆さんはタイに行かれたことはあるでしょうか。一度でもあの東南アジア特有のもやっとした熱さ､独特のにおい､そして買い物天国､エステ三昧と言った思い出は忘れられないのではないでしょうか。
「微笑の国」とは言うけれど、その極めつけの笑顔を発見した時のお話です。
私たちにとって､バンコクはほんのつかの間だけれどとても楽しめる所です。朝から買い物して、アクロバット的なタイ式マッサージで気絶し､美味しいタイ料理に舌鼓をうち、とにかく走り回ってあっという間に帰国の途につきます。でも何となく気になっていたものがあり、疲れた身体を引きずって、怪しい夜の町に繰り出そうという事になったのです。それは何と「オカマちゃんショー」だったのです。私は日本でもこういった類の店に言った事がなく、ずっと憧れのような気持ちを抱いておりました。そこで友達数人と張り切って、きれいどころが多いと言われるお店を予約し､お店に入ったらもちろん舞台の最前列の、いわゆるかぶりつきに座したのでした。タイの整形外科は昔から有名で、でもここまですごいとは実際にショーが始まるまで予想もつきませんでした。
次々に登場するオカマちゃんたちは、これまた絶世の美女ばかり。私なんてとうてい話にもならない。全身整形のスタイル抜群なのです。それにアジア系の顔もあれば、ヨーロピアン系もいる。子悪魔的なタイプもあれば、なぜか私の友達にそっくりの人もいて大笑い。衣装も美しくて､カラフルで､ダンスや歌も楽しめて、私たちは我を忘れて騒ぎまくって興奮していたのでした。そして一幕が終わり、しばしの休憩に入って、皆で飲み物を飲みながらぜーぜー言って､「すごいねー、きれいだねー」と連発していたら、突然後ろのお客さんたちが声を掛けてきた。
「あれー行きのスチュワーデスさんたちじゃあないですか。この店の常連なんですか？」ときた。私たちは恥ずかしさのあまり、「はあ・・・」と答えて小さくなってしばらく静かにしていた。でも２幕が始まった時にはまたすっかりそんな事を忘れ、大騒ぎしおまけに出口でおかまちゃんとツーショットの写真を取りまくったと言う始末です。ああ恐るべしストレス発散法。すっきりするからあなたもぜひ試してみましょう。
それにしてもきっとあのお客さんたちは呆れただろうなあ。今思えば・・・まあいいか。
怪しくも楽しいバンコクの夜でした。また行こーっと。
by お月見雪うさぎ
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