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お客さんのせいで・・・

お客さんのせいで・・・

今はもう退職してしまったチーフの話。

ローマにまもなく到着するという時、突然、外人客が洋服を脱ぎだし、スッポンポンになって機内を走り始めた。
俗にいうストリートキング!(一時、日本いや世界中で流行しましたね)
他のお客様達はビックリ仰天、大騒ぎ。
なんてたって飛行機があと少しで着陸してしまうのですから、裸であろうが洋服を着ていようが、座って頂かなければいけません。
チーフは毛布を持って隠そうと必死に追いかける。
相手は逃げる。
そんなこんなで飛行機は着いてしまいました。
そしてゲートに着くまでその追いかけっこは続きました。
そうこうしてると、ゲートに到着。
「ドアモード チェンジ プリーズ」
という合図で、ドアを操作しなければなりません。
しかし、彼は自分の担当ドアにいなかった。
そしてどういうわけか彼の変わりにドア操作を行なってくれる人もいなかったのです。
そして、次に起こったことは・・・・・
外からドアーを開けたら
「シュ〜」
非常時に使う脱出シュートがものの見事に開いてしまった。
なんと、不幸なこと。踏んだり蹴ったりとは、まさしくこのこと。
このシュートが開くということは、修理に、ウン百万円の損失、そして修理にも時間がかかる。
つまりは飛行機の遅延につながる。
外地などで部品が調達できない時は、調達できる国から部品を運んできて修理なんてことも。
考えただけでも背筋がゾ〜とさぶ〜くなるほど大変な事なのです。
でも、そんな大変な事とわかっていても、現役乗務員がやってみたいこと。

それは、本物のシュートを膨らませてみた〜い。(こんな事思うのは私だけではないと思う)

私達、乗務員は1年に1回必ず緊急避難訓練を受けて、その時、ドアを開けて脱出シュートを膨らませたり、滑ったりしますが、一度本物を膨らませて見たい・・と誰しもが思っていること。
ただしそれをするには、かなり勇気がいる事。
クビを覚悟でネ・・・

 

BY ダレ犬レイ