トップ > e-デス ちゃんねる > スッチー裏のカオ > 頑張れシルバー世代

頑張れシルバー世代

 
 
頑張れシルバー世代
 
私の母は昭和一桁生まれです。それゆえめっぽう外来語や、カタカナに弱いのです。
いつも私のフライト先をカレンダーに書いているのですが、ちょっと聞きなれないと必ず、「それは何国?」ときいてきます。
先日、私がフライト中に、友人から電話があり、「今どこに行ってるのですか?」と聞かれたので、母は大いばりで覚えたばかりの地名を言ったそうです。
「今ね、デンパバザールに行ってるの。」
ちょっとちょっとどこかの電気屋さんの宣伝じゃあないんだから・・・と思いましたが、彼女はそう信じ込んでました。
そして思ったとおり友人もあとから大爆笑したそうです。
訂正した所、母は「惜しかったねえ」と一言。
まあいいか・・・・

先日ある先輩と話していました。
その方はご自身のおばあちゃまと暮していて、おばあちゃまは80歳位をとっくに超えてはいるものの、とてもお元気で留守番をしてくださるそうです。
でもやはり電話の伝言にちょっと難有りらしいのです。
ある日家に帰ると紙に大きく「大なす、ひぐま。」というメモ書きがしてあって、早速聞いてみるとその人たちから電話があったと言う。
先輩は考えて、なすにも動物にも知り合いいないしなあ、としみじみ考えたけどついに思い当たらなくてその夜は諦めて寝てしまった。
次の日、電話がかかってきました。
1件は「ダイナースカード」もう一件は「シグマインターナショナル」と言う会社からだったそうです。 
これも責める事はできず一人で大笑いしてしまったらしい。

でも次に笑えなかったのは、先輩の友人が電話をして、そのときはフライト中だったので伝言を頼もうとした所、おばあちゃまはすかさず「私に難しい事を言われてもわかりません。」と言ってさっさと電話を切ってしまったそうです。
さすがに困った友人は戻ってきた先輩に笑いながら「ちょっとー、留守電にしておいてよー」と提案したそうですが、実はおばあちゃまは大の電話好きだったのです。

似たようなことが家でも起こってました。
先日昼間家にいたとき電話が鳴りました。いつも母は元気に応対しているのに、急にしわがれた声で「私は留守番の者なので分かりません。」と急に年寄りくさく話しているではありませんか。
不思議に思って受話器を置いた母に「誰と話していたの?」と尋ねたら「何かのセールスの電話だよ。」といつもの調子で話すので、どうして声色まで使ったのと聞いたら、母のセールス電話の撃退法だそうな。
演技力たっぷりで本当にお腹が痛くなるほど笑ってしまった。
あの母にあんなに演技力があるなんて知らなかった。

あっぱれシルバーエイジ!

 
By しゃっきり柊