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急病人発生!

 
 
  急病人発生!  
 
今機内では、よく病人がでるんですね。それも、熱が出たとかお腹が痛い、飲みすぎ貧血は日常茶飯事。
一年に何回かは、機内で亡くなる人もいます。
まず、機内で病人がでた時は、私達が会社で習ったファーストエイドの知識を全部だし、ケア−にあたりますが、もう倒れた時に「意識障害、意識なし」の時は直ぐ、ドクターコールといって機内放送でお客様の中でお医者様がいれば、手を貸して頂きたい旨のアナウンスをして呼び出します。
不思議と、こういう時ってお医者様がいるものなのですね。

今回は、パリからの帰り。機内で韓国人の叔母さんが、具合が悪くなり、呼吸も苦しいということで酸素吸入を開始。
ドクターコールをしたら、ドクターが名乗りをあげ、彼女を看てくれました。機内には緊急用の医療用器材が搭載されているので、その中から、彼女の症状にあったものを使用し、一時は緊急着陸をも考えたが、症状が回復してきたのでそのままフライトを続行して日本に向かいました。

その人は、お嬢さんと一緒に旅行していた為、その間、傍で心配そうにずーと彼女は付き添っていました。
緊急着陸をするかどうかという時、彼女は、「私達は成田からソウルに乗り継ぎがあるので、ソウルに降りて欲しい。」とリクエスト。
ちょっと待った。飛行機を路線バスと勘違いしていませんか?
そういうものではないのです。
確かにパリから飛んで間もない頃には、緊急着陸を考えたがそれは、いち早く病人を地上に引継ぎ最良の治療に結びつける為なのです。
かなり飛んであと少しで日本という時に、「私はソウルで降りたい」といってもそれはわがままというもの。それは、出来ない事を言ったら、「到着したら日本で看てもらいたい」と希望してきました。

その間、成田に救急車を要請したりと普通の業務の合間に病人の為に、皆、必死。
その甲斐あってか、症状はかなり回復。すると、今までは生命の心配をしていた彼女は、ここのところで日本で看てもらう費用が心配になったらしい。
救急車に乗って行って、看て貰ったら幾らぐらいかかるかかなり心配していました。

無事、成田に到着。
この二人のお客様を地上のスタッフに引き継ぐ準備をしてご案内した時、な、な、なんとこの親子、開いているドアから走って逃げていってしまったのです。

風と共に去りぬ????

機内であれだけ騒がせて、お医者様を始め、皆必死に看病したのに、御礼も言わずに最後はこの状態!?
ず〜とこれに関わっていたチーフはいてもたってもいられず、「クヤシー」と一言。
ウ〜ン。全ての気持ちがこの一言に集約されていたよね。
それにしても、やっぱり信じられないね。あれだけ大騒ぎをしていなくなっちゃうお客さん。

カムサムニダーの一言だけでもいいから、聞きたかったな〜・・・。
 
By 夏が大好きな雪だるま