|
スッチーになってよかったこと・・・
そうですねえ、単純ですが外国に行けることかな。そんなの当たり前だって？でもこんなに頻繁に海外に行ける仕事って他にないでしょう。しかもヨーロッパやアメリカなら旅行でだって行けるけど、なかなか行けない国ってあるでしょう。
たとえば、もう今は就航してないんだけど、以前「南廻り」と呼ばれている路線があった。バンコク、バーレーン、アブダビ、クウェート、カイロを経由して、最終的にアテネまで行き、帰りも同じ経路でも戻ってきて、成田を出てから帰ってくるまで２０日かかる。ステイするのはバンコクとクウェートとアテネ。クウェートでは往きと帰りで５泊ずつあって、バブリーな頃だったから泊まるホテルも最高級。プールで泳いだり、テニスしたり、街に出かけてゴールドのアクセサリーやシルクのじゅうたんを見たり、「こんな生活していいのぉ？」と思ったものだった。アテネへ行く機上で、窓から見たピラミッドは忘れられない。アテネでパルテノン神殿を見たときも、エーゲ海クルーズをしたときも、夢の世界といった感じ。もう、今は決してこんな優雅なステイはない。それに私が行った次の年に湾岸戦争が起こり、それを期に南廻り線は無くなってしまった。もう、たぶん２度とクウェートに行くことなんてないだろう。
今にして思えば「バンコク、中近東、ギリシャ２０日間の旅」というのをタダでしてしまったのね。
今度、インドへのフライト（デリーに４泊）があり、久しぶりに初めてのところに行くので楽しみ。旅行気分でワクワクしてしまう。機内で仲間と「着いたら何するぅ〜？」とあれこれ考えるのも楽しい。最近は「何食べに行く？」が多いけどね。フライトも半ば過ぎると考えるのはステイ先でのこと。着いたらまずはビールを１杯！なんて考えて張り切っちゃうのだ。しかも行き先がパリやミラノだったりすると、もうこの上なくウキウキ。
この仕事は残業がないのがいいわね。飛行機から降りれば終わりだし、次の仕事まではオフ。飛行機を降りてからが本番の添乗員さんは本当に偉いと思うわ。機内での仕事は、やはり大変だけど、お客さんが笑顔で降りたときや、気難しそうだなと思ってた人から「ありがとう。」なんて言われたときはやっぱりうれしい。一生懸命やってよかったなと思う。これがあるから、長いこと続けてるのかもね。
家に帰ってきて、ショッピングの戦利品をながめながら「ああ、明日から３日休み！」というのが最も至福の時。「さあ、今夜は思いっきり寝るぞ！」と、お布団に入ろうとした時「あ〜、あそこのお客さんが『お茶ください』って言ってた！」と、思い出したりして青くなるのであった・・。
ｂｙ ほろ酔いくま
|
