映画「ユー・ガット・メール」のロケ地を訪ねて

まず、80丁目にある「Zabar's(ゼイバース)」。外から見ると古くて飾り気のない店ではあるが、マンハッタンでも有名な高級食材店。店内は狭くて混雑しているが、新鮮なキャビア、スモークフィッシュ、また400種類以上もあるというチーズの品揃えには圧倒される。

映画の中では、ケリーが同店で買い物をする場面と、現金を持ち合わせていないにもかかわらず、誤って現金支払いのみのレジに並んでしまう場面で登場する。ケリーはレジで、店員と周囲の白い目にさらされるが、偶然居合せたジョーの機転でカード支払いを受け付けてもらい、ジョーに借りを作ってしまう。

83丁目にある「カフェラロ」は、通りに面した大きな窓から太陽がさんさんと注ぎ込むカフェ。大窓からは街路樹を眺めることができ、雰囲気は抜群だ。店内のショーケースには何十種類ものケーキがずらりと並び、何を選ぼうか迷ってしまう。

映画の中では、ケリーとジョーがメールだけでのやり取りを越え、初めて逢うシーンに使われている。ジョーは期待と不安が入り混じった複雑な心境で待ち合わせ場所に現れるが、先に到着していた気になるメール友達が、実は犬猿の仲のケリーだったことを知る。

ラストシーンでは、ついにケリーとジョーがメール友達として顔を合わせることになり、ケリーも大切なメール友達がジョーだったことを悟る。驚きを隠せないケリーではあるが、相手にいだいていた気持ちが恋心だと気づき、二人はしかと抱き合いキスをする。

ハッピーエンドの場面で使われた公園は、「リバーサイドパーク」の91丁目。ハドソン川沿いに続く公園は見晴らしが良く、ニューヨーカーの憩いの場だ。側を走る高速道路の車の音が少し気になるが、天気の良い日は絶好の散歩コースとなる。