イギリス料理と言えばローストビーフやフィッシュ&チップス、キドニーパイ等、あまりパッとしないイメージが付きまとうのではないだろうか。
しかし、ここ数年のイギリス、特に大都市であるロンドンには実は驚くほど食に通じたレストランが数多く存在するようになった。
そもそも情報の発信基地的役割を担う東京、ロンドン、ニューヨーク等には感覚の優れた人々の為のアンテナショップが多い。
特に地理的に繋がりの深い他のヨーロッパ諸国の料理には優れたものが多いのである。
この店に入ると先ずは恰幅の良いイタリア人のオジサンがイタリア語で威勢のいい挨拶を投げかけてくれる。
木目を基調とした風合いの優しい、いかにもイタリア!を感じさせる和やかな店内。
そして、白いテーブルクロスの上で灯る蝋燭の柔らかな光がそこに効果的に大人の雰囲気を効かせている。
すると、次に素敵なオネエサンが流暢な英語で(店員は殆どがイタリア人なので英語が不得意?)オーダーを取りに来る。
嬉しいのはメニューにない定番メニューを客の好みに応じてアレンジしてくれる事である。
また突き出しに出される自家製オリーブ漬けがこれまた絶妙にいい味を出しており、ゆっくりした時の流れを感じながらアペリティフを味わう事が出来る。
ワインリストはイタリアものが中心だか、プロセッコに始まり、フラスカティ−の様な軽めの白からブルネロディモンタルチーノやサシカイヤといった高級赤までポイントを抑え、幅広く(迷わない程度に)取り揃えているので大変に選び易い。
料理は本格的な味付けで、リゾットやパスタも非常に良い歯ごたえに仕上がっている。
またデザートもイタリアらしくワゴンで供され、終始店内の中心にまるでオブジェのように飾られ、最後に訪れる甘美な世界に徐々に吸い込まれていく・・・店の狙い通り!
|