海外を訪れる楽しみの一つは、その国の歴史や文化に直接触れる事が出来る事である。
中でも、その国が誇る大きな美術館や博物館の類は正にそれらを集中的に目の当たりに出来る場所ではないだろうか。
世界三大美術館の一つとも言われるメトロポリタン美術館(以下MET)には、200万点以上もの膨大なコレクションがあり、とても一日では廻りきれない。
そこで時間のない人にお勧めなのが、METの館員の方が無料で行う各国言語によるハイライトツアーである。
日本語ツアーは火・金の11:15AMに正面大ホールの外国人案内所から出発し、所要時間は約1時間である。
その時の館員さんの趣向で廻るテーマや場所は様々だが、とても丁寧に判りやすく説明して下さる。
ある時は、集まった人が少なかったので我々主導で行きたい場所に連れて行って下さった事もあった。
オーディオガイドもいいが、館員さんの生の説明には、美術品への愛着と造詣の深さがうかがわれ、聞いているこちらも自然にMETの魅力に取り付かれていく様である。
「ガラスケースに入っていないゴッホの作品等を触る人もいるのでは?」と言う問いに「その様なリスクがあってもMETとしては生の美術品を鑑賞すると言う立場を大事にしたいのです」と。
それは、アメリカの懐の深さを思い知らされた一場面であった。
入館料を支払うとその日のカラーバッヂを受け取るが、これはその日一日有効なので分館のクロイスターズへもいけるし、出入りが自由なのでランチしに外へ出るのも可能である。
また、新しくレストランやカフェテリアがオープンし、コンサートや講演等も随時行われているので館内で一日を過ごす事も十分可能である。
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