バレンシアまであっという間、快適EUROMEDの旅
バルセロナでパエリャを満喫したので、今度は本場の味を求めて、パエリャのふるさとバレンシアへ旅することにした。あまり時間がないので日帰りの忙しい旅である。なんとか移動時間を短縮したいなと思っていたら、とてもいい豪華列車を見つけた。 その名はEUROMED。 いざ、出発。列車は最新型新幹線という感じで、白い車体にブルーのライン。各車両の入口で、乗務員が出迎えてくれる。乗ってすぐにイヤホーンが配られた。音楽放送と映画があるらしい。セカンドクラスは食事も飲み物も出ないとわかり、小腹がすいたのでカフェテリアに行くことにした。 カフェテリアはパノラミックなBARみたいで、ながめ最高!コーヒーを飲みながら、クロワッサンをつまみ、しばらくここで、景色を堪能。席にもどったら、映画をやっていた。残念ながら音声はスペイン語のみだが、ダンスに夢をかけるアメリカの青春映画っていう単純そうな内容だったので、ついつい見てしまった。 でもここ、セカンドクラスといっても、席も広いし、テーブルも大きい。トイレも各車両にあって数も多いし、きちんと掃除がしてあって清潔である。
そんなこんなで寝る間もなく、あっという間にバレンシアへ到着。バレンシアに着いたら、雨であった。それにもうお昼なのになんだか街が閑散としていて、開いてる店
がすごく少ない。どうしたのかな、平日なのにと考えていたら、今日は5月1日メーデーだった!そう思うと、もう街全体が働く気がないんじゃないかっていうくらい、静まりかえっている。
まさかまさか、レストランもやっていないんじゃ、せっかく本場のパエリャを食べに来たのにぃ、と心配したが、幸いレストランは開いていた。しかしお目当てのレストランは予約でいっぱいで、すごすご退散。適当に入った店は、これといった特徴もなくまあまあ。でもやはりパエリャはそれなりにおいしかった。とりあえず、お腹がいっぱいになったのでいざ観光。おもなところは歩いて十分に回れる。カテドラルの上からの街のながめは美しかった。街の中心のレイナ広場では、メーデーの決起集会を見た。 だんだん帰る時間が近づいてきた。列車の出発時間は20時35分。バルセロナ行きの最終である。そのころになったら、やっと街が活気づいてきた。人出も増え、なんと店まで開き始めた。なんだかやりきれない気持ちを残して、帰路へ。
そうこうしているうちに、列車はもうすぐ次のTARRAGONA駅へ到着。しかし食事は宴たけなわ。
ここで降りる人はいないのかな、などと心配していたら、やっぱりいた!同じ車両の前の方の老夫婦が席にトレイを残して去っていった。思わず、「忘れ物はありませんか?」と声をかけたくなるのだった。
この駅から乗ってきた人の食事はどうなるんだろう?終点のバルセロナまでは、あと50分だ。それにこのトレイはいつ下げてくれるんだろう?そろそろトイレにも行きたいのに…。
ところで、この列車の厨房(というか飛行機でいえばギャレーだが)は各車両のデッキにあり、客席に対面している。だから自然と裏方が見えてしまうのだ。カーテンがあるから閉めればいいのに、と思うのだが、一向にその気配はない。乗務員が2人、笑いながらペチャクチャとおしゃべりをしている。
(だから早く下げてってば…。)そこへ7:3分けの黒ぶちメガネの、超まじめそうな男性乗務員がやって来た。(スペイン人でもこんな人いるんだ。)彼は、彼女たちの1人に何か注意している。何か粗相があったらしい。でも、女の子も負けてはいない。しきりに何か言い返している。ものすごい臨場感だ。
(だからカーテン閉めればいいのに…。) そして注意をするとその男性乗務員は行ってしまった。(チーフパーサーかな?)注意された女の子はもう1人の乗務員に何やら訴えると、気を取り直してトレイを回収し始めた。もう1人の子は、食後のリキュールのサービスを始めた。
by ほろ酔いくま
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